建築構造について
つきましては、専門的な内容は敢えて割愛している部分もございますので、ご了承ください。
建物には、外側から、内側から、様々な力が加わっています。
建物を建てる際に、あらかじめこれらの力を計算し、設計をして、建物が崩壊することなく維持できるようにすることが建築構造の基本的な考え方といえます。
特に、地震や、風、雪などの外から加わる力に対抗する強度と仕組みを考えなければなりません。
また、当然ながら重力という力も加わっています。
その他、建物の中に置かれる設備や家具、その空間を利用する私たち人の重さや、建物自体の重さ(自重)についても考える必要があります。
昨今、地震に対する建物の耐性については、皆さまも敏感になっているのではないでしょうか?
建築構造を考える際にまず重要なのは、地盤の強度です。
その建物が建つ敷地の地盤調査は十分に行わなければなりません。
建物は基本的に、『柱』『梁』『壁』で構成されています。
その建物が、どのような場所に建つのか。その地盤の調査データを基にして、建物を構成する『柱』『梁』『壁』などの材料の材質や、数量などを考慮しながら建物の強度を計算していきます。
これらの建築構造の計算は、建物の大きさや、デザインによっても違ってきますので、その建物ごとに、その建物に最適な計算と設計を行う必要があります。
建築設計には、『意匠設計(建物のデザイン・間取りなどの設計)』、『設備設計(空調や、排水などの建物の設備に関わる設計)』、『電気設計(建物内部の電気に関わる配線などの設計)』などもあります。
これらは、建築物の強度や構造体を設計する『構造設計』とも密接に関わってきます。
例えば、柱や、梁、構造壁などの躯体(くたい)の配置によっては、必要な設備配管や、電気配線の取り回しが困難になってきたりもします。
建築設計では、そのようなことがないように、それぞれの分野の設計士が何度も打ち合わせを繰り返し、相互協力をしながらバランスの取れた設計をして図面化していくのです。
当事務所でも、『ケーズ・プログレス』というそれぞれの分野の専門家がチームになった建築設計集団を編成して、バランスの取れた建築設計を追求しています。
バランスの取れた建築設計を目指すことは、施主様や、その建物内部の空間を利用される皆さまが『安全』であり、『快適』であり、『利便性』が満たされていることを追求することと言えます。
最近では、『耐震構造』『免震構造』『耐震診断』などの用語も、テレビや雑誌、新聞などのメディアでもよく目にしますし、日常の会話の中でも聞かれるようになってきました。
私たちの生活の場となる建物の安全性、将来起こりえる地震に耐えることのできる建物の重要性についての関心も高まっているということの現れだと思います。
また実際に、国土交通省では2015年にも、オフィスビルやデパート、学校、病院など多くの人が利用する大規模な建物が、大きな地震に耐えられるか調べるよう所有者に義務づける方針で『耐震診断の義務化』も進めています。
私たち建築設計に携わる者たちにとっても、建物の耐震性は今後の重要課題となっております。
当事務所も、これまで以上に建築構造に関する研究と、実績の積み重ねに取り組みをして参ります。
また、新築の建築設計にとどまらず、『耐震診断』につきましても今後も注力していきますので、皆さまも現在所有されている建物の耐震診断をご検討の際には、お気軽にご相談ください。
壁式構造とは
地震等の力に対して板状の壁だけで対抗するように構成された構造。梁や柱ではなく、分厚い耐力壁(構造壁)としての壁そのものが構造となっている箱状の骨組構造。
耐震構造とは
耐震構造とは、地震がきても建築物が倒壊せず、地震で生じる揺れに耐えるように設計された構造のこと。中小地震に耐えるように建物の躯体を筋交いや補強金物等を用いて強化することで、建物の構造(柱や梁)自体が地震に耐えるような強度に造られている。
免震構造とは
地震力に対する建物の構造設計において、従来の「耐震」設計法に加えて、地震力を抑制または制御し、そのエネルギーが建物に伝わらないようにする「免震」あるいは「制振」という考え方に基づいた工法。 建物の上部と基礎との間に積層ゴムやダンパーなどの緩衝装置を設置して、地震のエネルギーを吸収し、揺れを低減し、建物そのものや室内の破壊を防ぐように工夫されている。
耐震診断とは
耐震診断とは、建築物が地震に対して、どの程度耐えることができるか(耐震強度)を総合的にを判定することである。診断は、周辺地盤の状態、建物の基礎の構法や状態、耐力要素の量や配置、経年による建物の劣化などを考慮し、現在の構造工学を基に行われる。